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わたしたちがITOMACHI HOTEL 0をつくる理由

2023.05.27

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建築やインテリア、アート、アメニティ、食事、Webなど、様々な人の手を介してITOMACHI HOTEL 0(ゼロ)はつくられました。このARTICLEではホテルが出来るまで、そして完成後に生まれたストーリーをお届けします。
初回はこのプロジェクトの発起人であり、このホテルがある「いとまち」のまちづくりを行っている株式会社アドバンテックについてお伝えします。半導体製造関連事業を中心に国内外で事業を展開するモノづくり企業であるアドバンテック。一見すると半導体関連事業からはかけ離れているかに思える、まちづくりをなぜ行うことになったのでしょうか。そこには、アドバンテックの創業地 愛媛県西条が抱える深刻な課題と社会全体の活性化を模索する姿がありました。

■「人がいない」「何もない」「活気がない」……気付けば、西条も同じだった

いまや日本国内のみならず、中国、インド、アメリカなど海外に9拠点を構えるグローバル企業となったアドバンテックは愛媛県西条にある築40年の六畳一間から始まりました。創業後は半導体関連事業を軸にしつつも、早くから全国に再生可能エネルギーの拠点を構築する事業に着目し、規模を拡大してきました。順調に事業は進む一方、再生可能エネルギーの拠点づくりのために地方をめぐる中で「人がいない」「何もない」「活気がない」という日本の地方都市の厳しい現実を実感させられました。
そして、それは西条も例外ではありません。この状況を何とかしなければ。自分達が西条のためにできることはないか。そんな想いを抱えていたある日。アドバンテック社長の山名さんは石鎚山から見下ろした西条のまちに、ぽっかりと取り残された空き地を見つけました。まちなかにありながら、活用されていない土地。車で入りにくく、店舗等でそのまま活用するには難易度のある土地。この土地を使って、エネルギーをテーマとしたまちをつくり、人の賑わいや活気を生み出す。脱炭素社会の実現に寄与しながら、地方の活性化にもつながるような場をつくればいいのではないか。漠然と抱えていた想いを実現させる道筋がくっきりと見えた瞬間でした。

▲「いとまち」開発前の同エリア

▲「いとまち」開発後の同エリア

■建築家 隈研吾とともに「糸プロジェクト」始動

しかし、アドバンテックもエネルギー事業には知見があっても、まちづくりは全くの素人です。これまでの事業とは全く異なる異分野への挑戦に頭を抱えていたところ、建築家の隈研吾さんと出会いました。隈さんへプロジェクトの趣旨を伝える中でお願いしたことは、「街のにぎわいを取り戻したいこと」と「若者や挑戦する人にチャンスを与えられる街にしたいこと」の2つでした。隈さんはその想いを受け止め、新プロジェクトを快く引き受けてくれました。そして、東京大学の隈研究室メンバーと一緒に「糸プロジェクト」が始動し、再生可能エネルギーと地方創生をテーマとしたまちは「いとまち」と名付けられました。

■いとまちとITOMACHI HOTEL 0が目指すもの

「いとまち」は大きく商業ゾーンと住宅ゾーンから成ります。商業ゾーンにはマルシェやレストラン、温浴施設、ホテルをつくり、西条内外の人の流れと賑わいを生み出します。そして川を隔てた住宅ゾーンには、魅力的な住宅をつくり、西条に住む人を増やしていく。そんなマスタープランを軸に2020年、いとまちマルシェ・FOOD GARDEN ITO・Er Bisteccaro itoが開業しました。


▲地元食材や愛媛銘菓、愛媛の器・工芸品など、バラエティ豊かな製品を取り揃え「ワクワク・いい物をお届け」するセレクトショップ「いとまちマルシェ」


▲イタリアン食材、スイーツ、デリカ、お弁当、熟成肉など、豊かな「食」と出会える「FOOD GARDEN ITO」


▲南イタリアと同じ温暖な気候と新鮮な食材に恵まれた西条で、ランチとディナーが楽しめるイタリアンレストラン「Er Bisteccaro ito」

そして、2023年5月から日本初のゼロエネルギーホテル「ITOMACHI HOTEL 0」がオープンします。運営における実質的な電力消費ゼロを実現したこのホテルでは、滞在を通して、日々の生活に欠かせないエネルギーとたのしみながら向き合えると共に、食・アート・客室備品・アメニティからは、愛媛や西条の魅力を再発見することができます。
このホテルが、これまで地元の方々の買い物や食事が中心だった「いとまち」を西条内外の新たな出会いと交流の場へと進化させ、西条のまちに更なる賑わいをもたらしていければと考えています。

一般的にまちづくりには10年、20年かかると言われています。何もない空き地から始まった「いとまち」もITOMACHI HOTEL 0もそんな長い道のりを歩み始めたばかりです。まだまだ課題も多く、やりたいことと現実の間にはたくさんのギャップあります。ですがそうした一つ一つと向き合いながら、この脱炭素への取組×地方創生の新たな形を成功させ、西条の豊かな未来を、内外の人達とつくっていきたいと考えています。まずは自分達のできることから。そしてその先には、この「いとまち」をモデルに、同じような状況に立たされた他のまちの課題解決にも役立てたら、そんな未来を描いています。

これから育っていく「いとまち」とITOMACHI HOTEL 0にご期待ください。

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